事務所通信 平成18年6号掲載
月決算終了 
 

今年もようやく3月決算5月申告が終了しました。昨年の年末調整からはじまり個人の確定申告、そして3月決算です。会計事務所の宿命ですが、もう少し平準化できないものかと思います。

 しかし、仕事があるとか無いとかの企業に比べれば贅沢な悩みでしょう。ところで、その3月決算の状況ですが、昨年良かったところは総じて今年も良い業績を上げており、昨年悪かったところは今年も振るわないところが多いような状況です。
 なぜ、このような現象が起きているのでしょうか。経営者は誰しも自分の会社を立派にしようと考えているに違いありません。
 しかし、その差はますます拡大しているのです。

 私見ですが、良い業績をあげているところは、常に「この良い状態がいつまで続くか分からない。」と考えており、将来の不測の事態にも耐えられるようにと常日頃から準備しています。良い意味での将来への不安を抱えているため、必死になって業績をあげようとします。結果として良い業績を連続することとなります。1期でも赤字となると非常に悔しがります。
 一方、業績の振るわないところは、どこか世間のせいにしている部分があり、たとえ利益が出ていたにしても役員借入金の放棄等により金融機関受けするような決算をしています。
 融資の関係で止むを得ない面もありますが、一度思い切って、赤字は赤字として申告し、2度と赤字は出さない。絶対に出さないという強烈な思い、誓いが必要なのではないでしょうか。この思いが強烈であれば、例えばどうやったら売上を伸ばすことができるか自然と具体的内容にまで及びます。できない理由など考えている暇はありません。

 ところで、昨年「中小企業の会計に関する指針」が公表され、新会社法対応版も先頃完成しました。会計参与のバイブルとなり、融資においても活用されるものです。相当厳しい内容であり、特に貸借対照表についてはかなり贅肉をそぎ落とす会計処理が要求されています。 しかし、経営者は本来そういう視点で自社を見つめるべきです。この指針に耐えられる経営体質を是非身につけたいものです。




所 長  須 田 幸 英
事務所通信 6月号掲載

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